こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
今回は映画「カモン カモン」をご紹介します。
子供と大人の交流を描いた本作は、「最高に愛おしい」と評判です。
「ジョーカー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞した、ホアキン・フェニックスが主演したことでも注目を集めていますね。
そんな「カモン カモン」の監督や出演者についての情報や、劇場に2回観に行った私の感想を書きました。
公式プレイリストも貼っているので、読んでもらえるとうれしいです。
監督 | マイク・ミルズ |
キャスト | ホアキン・フェニックス ウディ・ノーマン ギャビー・ホフマン スクート・マクネイリー |
製作年 | 2021年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 108分 |
映画「カモン カモン」あらすじ
ラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、妹に頼まれ9歳の甥っ子・ジェシー(ウディ・ノーマン)を数日預かることに。
好奇心旺盛なジェシーと、慣れない子供の世話に戸惑うジョニーだったが、互いに言葉を交わすうち心も通わせていく。
会話が多くを占める本作は、ドラマチックな展開や派手なアクションがなく、観る人によっては退屈してしまうかもしれません。
君の話を聞かせて
映画はジョニーがアメリカに住んでいる子どもたちにインタビューをするところから始まります。
これから世界はよくなると思う?悪くなると思う?
スーパーパワーを持てるならどんなパワーがいい?
インタビュー前に「正しい答えも間違った答えもない。答えたくない質問には答えなくて大丈夫」と言われた子どもたちは、とても素直に答えます。
その答えのどれもがハッとさせられるもので、
「子どもって大人が思っている以上にいろんなことを理解しているんだな」
と思いました。
ジェシーとジョニーの会話も同様で、子どもも一人の人間であることを気づかされましたね。
脚本も担当したマイク・ミルズ監督
本作では脚本も担当したマイク・ミルズ監督。
アディダスやナイキといった有名企業のCMを監督し、ソニック・ユースなどのレコード・カバーのデザインも手がけるなど、90年代のニューヨークのカルチャーシーンで活躍しました。
同性愛者である父親と自身の関係を描いた「人生はビギナーズ」では、父親を演じたクリストファー・プラマーがアカデミー賞助演男優賞を受賞。
演技賞史上最高齢での受賞だったそうです。
母親との関係も「20センチュリー・ウーマン」で描いた監督は、インタビューでこう語っています。
家族は僕たちが経験する最初の人間関係。
人は他人との関係性の中で、自分が何者かを学ぶ。
接する相手によって自身も変わり、その体験を通して人生について分かってくる。
自分の人生について解明する、僕はその真髄を探ろうとしているんだと思う。
「カモン カモン」パンフレット
公私ともに子育てに忙しいホアキン・フェニックス
ラジオジャーナリスト・ジョニーを演じるのはホアキン・フェニックス。
「スタンド・バイ・ミー」で有名なリバー・フェニックスの実の弟です。
パートナーのルーニー・マーラとの間に生まれた男の子に「リヴァー」と名付けたことがニュースになりました。
それもあって本作に抜擢されたのかと思いきや、お子さんが生まれたのは「カモン カモン」の後で、「起用された理由とは関係ない」とパンフレットで監督が語っています。
監督から送られてきた脚本に「無限の可能性があるように感じた」ものの、「自分にはできない」と思ったホアキン。
監督と何ヶ月もかけて台本を一緒に読んだり演じたりし、最終的に本作に出演することが決まりました。
9歳のジェシーを演じたウディ・ノーマン
本作で一番重要な役であるジェシーを演じたのは、13歳のウディ・ノーマン。
2015年にTVドラマでデビューし、本作で英国アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。
主演のホアキンを導いている印象さえ受けた、才能あふれる俳優です。
そんな彼の憧れは、今をときめくティモシー・シャラメだそう。
ティモシー主演の「DUNE」についてはこちら!
ティモシー超えも夢じゃない彼の活躍が楽しみです。
「カモン カモン」のネタバレ感想
実を言いますと私、最初に「カモン カモン」を観たとき寝ました。
すでに述べたようにドラマチックな展開がないので、はまれない人もいると思います。
寝たのにもう1回観に行ったのは
「この映画絶対いい」
と確信したからです。
結果、当たっていました。
当たっていたのですが、どこがよかったか言葉で説明するのが非常に難しく、感想をどうやって書こうか、悩みましたね。
一緒に過ごすことになってすぐのころ、ジョニーはジェシーに対して正しくあろうとします。
ジェシーに制限をかけてばかりいたのが、一緒に過ごすうちに対等な一人の人間として徐々に接し方を変えていきます。
この接し方の変化はささやかですし、教訓めいた名ゼリフもありません。
ネタバレしようにも「ジェシーとジョニーが、出会った頃よりお互いを少し理解できるようになった」が精一杯。
「人と人が完全に理解しあうことは不可能」と悟っているジェシーに共感しますが、理解しようと歩み寄る人の姿はやはり尊いです。
ジェシーとジェニーが互いに歩み寄る姿を見ていると、穏やかな幸福感に包まれます。
「カモン カモン」の公式プレイリストはこちら
「カモン カモン」は音楽もいいです。
音楽を担当したのは双子の兄弟であるアーロン・デスナーとブライス・デスナー。
二人ともロックバンド、ザ・ナショナルのメンバーです。
ザ・ナショナルのアルバム「I Am Easy To Find」の音楽を使用した同名短編映画を、本作のマイク・ミルズ監督が手がけています。
「カモン カモン」のサウンドトラックに関する情報は公式サイトに見当たらず、残念ながら発売も確認できませんでした。
映画のために作られたと思われる曲もよかったため、「もう聴けないのか…」と思ったのですが、Spotifyで公式プレイリストが公開されていました!
CDより音楽配信サービスが主流となった今では、こうした形で映画の音楽を聴くのが当たり前になっていくのかもしれませんね。
「カモン カモン」の評価
「絶対いい映画だ」と確信させた「カモン カモン」。
他の方はどのように評価したのか、見ていきましょう。
高評価
- 子供たちの言葉に胸打たれる
- モノクロであるがゆえに映画になっていた
- 会話のキャッチボールからなにかを拾い上げたくなる
子供と接する機会があまりない私にとって「子供ってすごいな」と思わせられる場面ばかりでした。
同じように子供たちの言葉に感動している人も多くいたようです。
「モノクロだから良かった」という意見もありました。
白黒にした理由はすごくたくさんある。
まずここで僕が語っている物語は、すごくありふれたことだと思うんだよね。
子供をお風呂に入れて、一緒に寝て、ご飯を食べるというものだからね。
だけど白黒にすることで、その日常風景から切り離されて、これは”物語”なんだ、ということをまず提示できると思った。
「カモン カモン」パンフレット
監督もこう語るように、モノクロだったおかげで「どこかで起こっているかもしれない物語」として観れました。
これがカラーだったら映画というよりドキュメンタリーになっていた気がします。
「おもしろかった」とは思わないんですけど、「愛おしい」んですよね。
そう感じる人は高評価になるようです。
低評価
- 禅問答みたい
- 盛り上がりがなくて退屈
- コンセプトがわからなかった
ジェシーとジョニーの会話では、言葉足らずで何について話しているのかわからない場面もありました。
注意深く観ていればわかりますが会話がメインの映画なので、このせいでついていけなくなる人がいてもおかしくありませんし、低評価になるのもしょうがないかと。
あえてわかりやすくしていないのは「人を理解することの難しさ」を表そうとしていたのかな、と私は思いました。
「退屈」という意見については、途中で寝てしまった身のため否定できませんねw
でも私以外にも寝てた人絶対いたと思う(失礼)。
事件が起こらなければ山場もなく、起承転結がある映画が好きな人にはおすすめできません。
まとめ
映画「カモン カモン」のご紹介でした。
物語らしい展開はありませんが、人を理解しようとすることの尊さにふれられる名作です。
ネタバレしてしまっても問題ないと思うので、観た方はぜひ周りの人に感想を話してほしいと思います。
私はしばらく公式プレイリストばかり聴きそうです。
寝ずに観られる自信がない方は、コーヒーをがぶ飲みしてから行きましょう。
子供が出てくる映画が好き
穏やかな幸福感に包まれたい
押しつけがましくない映画が観たい
という方におすすめです。
無料相談受付中
「絵が上手くなりたいけどどうしたらいいか、わからない」
「イラストレッスンに興味があるけど、どれを選んだら…」
そのお悩み、ぜひご相談ください!
挫折・失敗の経験がある私が、あなたに合った本やレッスンをご紹介します。
- 今まで試した本やレッスン
- 気になっている本やレッスン
- 好きなイラストレーターさん
も教えていただけると具体的なアドバイスができますので、ぜひお書き添えください。
絵のご相談だけでなく、
- あの映画どうだった?
- この映画もおもしろかったよ!
といった映画のお話も大歓迎です!
どうぞお気軽にご連絡ください。
イラストキネマのオーナー、サオリでした。
コメント