
こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
今回は2021年に制作された映画「DUNE/デューン 砂の惑星」をご紹介します。
原作は「スター・ウォーズ」などにも影響を与えたといわれている同名小説。
映画化の企画は持ち上がったものの撮影前に頓挫したり、映画化されたものの“世紀の失敗作”との烙印を押されたりと、いわくつきの作品です。
そんな前例があるにもかかわらず映画化された本作の配信が始まりました。
- 配信で観るべきか?
- 原作は読んだ方がいいのか?
などなど正直に書いていきます。
映画「DUNE/デューン 砂の惑星」あらすじ
人類が地球以外の惑星に移住している西暦1万190年。
アトレイデス家の後継者であるポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)には、未来が見える能力があった。
ポールの父・レト公爵(オスカー・アイザック)は砂漠の惑星アラキス、通称“デューン”を治めるため当地に降り立つが、そこで待っていたのは敵対するハルコンネン家が仕組んだ罠だった…。
キャッチコピー“この惑星を制したものが全宇宙を支配する”からもわかるとおり、宇宙の勢力争いを描いている映画です。
作品独自の用語が多く、正直とっつきにくさはあります。
お笑いコンビ・チョコレートプラネットが解説してくれている動画があるので、「原作を読むのはちょっと…」という方はこちらを見るのがよさそうです。
「DUNE」にまつわる監督
「DUNE」はこれまでにも映画化しようとして頓挫、映画化したものの酷評の嵐、なんてことがありました。
そんな「DUNE」にまつわる監督を三人ご紹介します。
ドゥニ・ヴィルヌーブ
本記事で紹介している、2021年公開の「DUNE/デューン 砂の惑星」を監督したのがドゥニ・ヴィルヌーヴ。
有名なSF映画「ブレードランナー」の続編「ブレードランナー 2049」の監督です。
有名映画の続編というとそれだけでプレッシャーがかかるでしょうが、見事アカデミー賞の視覚効果賞と撮影賞を受賞しました。
スリラーやクライムアクションなども撮っていますが、2017年に公開された「メッセージ」以降はSFを撮り続けており、「DUNE」も続編があることからしばらくSF映画の制作が続くでしょう。
アレハンドロ・ホドロフスキー
“奇才”と称えられるアレハンドロ・ホドロフスキー監督も、「DUNE」の映画化に挑戦した一人です。
サルバドール・ダリ、ミック・ジャガーといったそうそうたるキャストを集め、莫大な予算と12時間にも及ぶ上映時間を予定していた企画は、撮影前に頓挫。
制作中止に追い込まれた過程のドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」が2013年に公開されました。
ドキュメンタリー製作時のホドロフスキーは80代なのですが、目をキラキラ輝かせながらインタビューに答えており、年齢を感じさせないエネルギーを発していたのが印象的でしたね。
映画化はされなかったものの、絵コンテや設定などはその後の映画に多大な影響を与えたといわれています。
デヴィッドリンチ
ホドロフスキーの挑戦の後、カルト的人気を誇るデヴィッドリンチ監督が1984年に映画化しました。
デヴィッドリンチといえば、「エレファント・マン」や「マルホランド・ドライブ」といった怪しげな雰囲気漂う作品が有名。
期待を集めたリンチの「DUNE」は酷評の嵐だったそうで、おまけに映画化に失敗したホドロフスキーに
あのデヴィッドリンチが失敗したんだよ?
ホドロフスキーのDUNE
やっぱり無理だったんだよ!
とまで言われる始末。



あまりに嬉しそうに言うから笑ってしまった。
そこまで言われるとどのくらいひどいのか気になりますが、「ワイルド・アット・ハート」と「ブルーベルベット」が大好きな私は“鬼才・リンチ像”を崩したくなくて、いまだに観る勇気が出ません…。
レビューを読むと
- 展開が急すぎる
- 固有名詞が多すぎて全然理解できなかった
といった声が多く、上映時間約2時間でまとめている点から充分な説明ができていなかったのだろうと推測できます。


また編集権を有していたのはリンチではなくプロデューサーだったそうなので、リンチ一人の責任にするのは酷ではないかと。
「ドゥニ・ヴィルヌーヴの『DUNE』はリンチ版を踏襲している」という意見もあります。
本作がなければドゥニ版の「DUNE」は違う仕上がりになっていたと考えると、「駄作」と一蹴するのは乱暴すぎると思います。
「DUNE」の主人公を演じたティモシーシャラメ
「DUNE」の主人公・ポールを演じたのは、今をときめくティモシーシャラメ。
「君の名前で僕を呼んで」でアカデミー賞・主演男優賞にノミネートされ、途切れることなく映画に出演し続けています。
演技も絶賛される彼ですが、まず目につくのは整った顔面。
ただでさえ顔面偏差値が高い俳優の中でも抜きんでて美形です。
苦手なSF映画を観に行こうと思ったのは、大好きな「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督だから、というのが一番の理由でしたが、彼の顔面を大画面で拝みたいという気持ちもありました。



この顔面だけで全宇宙支配できそう。
ウディ・アレンやウェス・アンダーソンといった有名監督の映画にも出演しており、今後の活躍が楽しみでなりません。
感想:「DUNE」は絶対にIMAXで観るべき!
「DUNE」といえばIMAX、4DXなど様々な上映形式で上映されましたね。
そのことは知っていたものの音響の違いなどが自分にわかると思えないうえに、映画をアトラクションとして捉えているように思えて、最初は普通の映画館で鑑賞。


普通の映画館で見ても楽しめましたが、「『DUNE』はIMAXで上映することを前提に撮影された」と聞いて「じゃあIMAXで観なきゃ」と再度IMAXで鑑賞しました。
結果、IMAXで観て本当に良かったという感想に。
観る環境が変わるだけで印象はそんなに変わらないと思っていたのですが、いやもう全っ然違いました。
何が違ったかというと、スクリーンの大きさと映像の美しさ。
この2点が違うだけで迫力と臨場感がけた違いに増して、前に観たはずなのに違う映像のようでした。


砂漠で夜明けを迎えるシーンがあるのですが、自分がその場にいるかのように昇る太陽に「眩しっ!」てなったり、サンドワーム(砂の惑星に住んでいる巨大生物)に襲われるシーンなんか自分ものみこまれるんじゃないかと怖くなったり…。
普通の映画館で観た時はなんとも思わなかったシーンが全くの別物に見えました。



スクリーンが大きくなるだけで宇宙船が10倍は大きく見えて「どんだけでかいの!?」って軽くパニックになった。
音響の違いは予想どおりわかりませんでしたが、普通の映画館で観たときとこれだけ違う印象になったのは音響の効果もあったと思います。
普通の映画館で観るのが「映画鑑賞」なら、IMAXは「映画体験」というにふさわしい没入感があり、大げさでも誇張でもなくこれまでに感じたことのないの衝撃でした。
原作は読んだ方がいい?
原作はアメリカの作家フランク・ハーバートの同名小説で、上・中・下の三部作。
ドゥニ・ヴィルヌーヴが今回映画化したのは上巻です。
SF小説は苦手な私ですが、なんとか上巻は読みました。
原作を読んでから映画を観ると
「こういう形をしていたのか!」
「これこれ!こういうのをイメージしてた!」
と感激します。





原作を楽しめなかった私でもテンション上がった。
原作を読んでいた方が楽しめるのは間違いないので、「少しでも良さを味わいたい」という人は読んでおくのがおすすめです。
公式サイトの用語集にさらっと目を通しておくだけでも違うと思います。


気になる続編
映画「DUNE/デューン 砂の惑星」は原作と同じ三部作で構想されており、構想通りにいけばあと2作で完結です。
こういう構想で怖いのは途中で制作中止になってしまうことですよね。
調べてみると続編の制作が発表されていました!


この記事によると第2弾は2023年10月20日全米公開予定とのこと。
日本での公開がいつになるのかはわかりませんが、第1弾が公開されたので第2弾も公開されると期待していいでしょう。



その時はドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の他の作品も再上映してほしいな…。
第2弾を映画館で観れば、第3弾への制作につながることはまちがいありません。
第3弾まで観たい人は、ぜひ劇場で観ましょう!
配信で「DUNE」を観ることについて
IMAXで観た私としては「IMAXで観るべき」と思っています。
配信で観るとなるとパソコンやテレビで、という方がほとんどでしょうし、プロジェクターで観るにしてもIMAXの環境とはほど遠いと思います。


自宅でIMAXの環境を再現できるのなんて大富豪じゃないと不可能なうえに、現在は上映も終了しているため最も適した環境で「DUNE」を観れません。
IMAXで観ないと楽しめないわけではなく、多くの方に観ていただきたい私としては、適した環境で観れない状況でおすすめするのは…と非常にもどかしさでいっぱい。
今は観れる環境で観てもらって、万が一再上映などされた場合にはぜひIMAXで観ていただきたいです。
「DUNE」の評価
観る環境によって評価が分かれそうな「DUNE/デューン 砂の惑星」。
伝説的原作、映画化失敗の前例ありのいわくつきの本作はどう評価されたのでしょう?
高評価
- IMAXの大画面にティモシーが負けてない
- 絶対にIMAXで観るべき。臨場感と迫力が違う
- 宇宙船や小道具のデザインがスタイリッシュで、これを見ているだけでも楽しめる
とにかく目についたのが
「IMAXで観ないと良さがわからない」
「IMAXで観ないのは損」
という意見。
私もこの映画をパソコンやテレビで観るのはもったいなすぎると思います。
とはいえ、IMAXで観れなくとも衣装や建築のデザインがかっこいいので、そういった細部を楽しめるのも本作のいいところ。



コンパス(方角を示すほう)に「かっこいい…!」って感激する日が来るとは思わなかったよ。
あとティモシーシャラメの顔面も美しすぎるので、正直それだけでも楽しめます。
この映画を人に勧めるなら、あらすじとか原作の話をするよりも、「この人出てるよ」とティモシーの顔を見せるのが一番効果的だと思います。
さらに本作は第94回のアカデミー賞では10部門にノミネート。
撮影、編集など6部門を受賞するほど評価されています。
低評価
- 展開が遅い
- 話が面白くない
- ストーリーがわかりにくかった
上にも書いたように独自の用語が多く、わかりやすく親切なつくりの映画ではありません。
本作は序章のため、1作で完結する映画と同様のスピード感や展開を期待していると低評価になるでしょう。
原作を丁寧になぞっているという印象で、展開やストーリーは続編に期待ですね。
ストーリーを楽しむというより、美しく壮大な映像や最高にかっこいい構図に浸る映画だと思うので、ストーリー目当てで観るのはおすすめしません。
まとめ
配信が始まった映画「DUNE/デューン 砂の惑星」。
IMAXで観た身としては「IMAXで観てほしい」と思いますが、IMAXで観ないと楽しめない、というわけでもありません。
スタイリッシュな宇宙船や小道具などは、SF好きでなくともわくわくします。
第2弾をIMAXで観るための準備として観ておくのはおすすめです!
原作が好き
ティモシー・シャラメの顔面を拝みたい
ドゥニ・ヴィルヌーヴに絶大な信頼を置いている
という方にもおすすめです。
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イラストキネマのオーナー、サオリでした。
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