今回は映画「ゴーンガール」をご紹介します。
サオリ的結婚が怖くなる映画TOP3の第2位に堂々君臨している本作。
ちなみに1位は「ブルーバレンタイン」です。
結婚記念日に妻が失踪したことで浮かび上がる夫婦間の問題からは、結婚生活を維持することの難しさを思い知らされ「結婚怖い」という感想を抱きました。
あなたは愛する人のことを
どれだけ知っていますか?
そう問いかける本作はどんでん返しがあったと思ったらまたひっくり返り、ラストまで目が離せません。
監督 | デビッド・フィンチャー |
キャスト | ベン・アフレック ロザムンド・パイク キム・ディケンズ キャリー・クーン ほか |
製作年 | 2014年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 148分 |
映画「ゴーンガール」あらすじ
愛し合い結婚したニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)。
結婚5周年の記念日に妻・エイミーが失踪し、警察が捜査を進めることに。
アリバイや挙動が不審な点から夫のニックが関与しているのではと疑われ…。
一見スリラーに思えるあらすじですが、「ゴーンガール」のテーマは“結婚”です。
映画ではエイミーが失踪してからと、エイミーとニックが出会ってから結婚するまでの映像が交互に流れるのですが、ここで観客をあざむく仕掛けがされています。
エイミー役のロザムンド・パイク
妻・エイミーを演じたのはロザムンド・パイク。
彼女は本作でアカデミー賞主演女優賞、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされています。
エイミー役にキャスティングした経緯について、フィンチャー監督はDVDの音声解説で以下のように語っていました。
彼女の印象がどうだったかを必死で思い出そうとしたんだ
ところが印象がないんだ
外見は覚えてた
その外見から伝わる印象は想像できたが、彼女の人柄や俳優としての具体的な印象がなかった
でもそれこそがエイミー役には好都合なのではと思い始めた
「ゴーンガール」DVD音声解説より
誰でも欠点やなにかしらクセはあるものですが、“完璧”なエイミーにはそういった個性がありません。
個性がない俳優こそエイミー役にふさわしいというのは「確かに」と思いました。
ほかにも宣伝の際にこだわった点や、映写技師時代の思い出話など興味深い話が聞けるので、DVDで観るのがおすすめです。
デビッドフィンチャー監督
「ゴーンガール」を監督したのはアメリカ出身のデビッドフィンチャー。
世界最大のSNS・Facebookの創設者マーク・ザッカーバーグに焦点を当てた「ソーシャル・ネットワーク」で、ゴールデングローブ賞最優秀監督賞を受賞しています。
そんなフィンチャーの代表作といえば「セブン」でしょうか。
フィンチャーお得意の暗い画面と陰鬱なストーリーがマッチしていますね。
「セブン」に出演したブラッド・ピットは、フィンチャーの映画でよく起用されており「ファイト・クラブ」、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でも主演を務めています。
原作小説の元ネタは実話?
原作は全米ベストセラーとなった、ギリアン・フリンの同名小説。
ギリアン・フリンは本作の脚本も担当しました。
こんな物語は今まで見たことがない
原作者のギリアンが、私の見たかった映画を教えてくれたように感じた
「ゴーンガール」DVD音声解説より
フィンチャーが相当原作に惚れ込んでいたことがわかりますね。
そのためか、映画はほぼ原作通りとなっています。
この物語自体はフィクションで実話ではありませんが、“ピーター・スコットソン事件”をモデルにしてるといわれています。
2002年のクリスマスイブ、「妊娠中の妻(レイシー)が失踪した」と夫のスコット・ピーターソンから通報があった。
捜査を進めるにつれ、スコットが不倫していたこと、妻の失踪前に「今年のクリスマスは妻なしで過ごせる」と不倫相手に話していたことが判明し、スコットはパパラッチから追われる身に。
翌年4月にレイシーと胎児の遺体がサンフランシスコ湾で発見され、スコットは殺人容疑で逮捕。
スコットは無罪を主張したが死刑判決が下された。
ほぼほぼ「ゴーンガール」のあらすじ通りですね。
現在スコットの死刑は撤回されたものの、有罪判決は覆っていないため収監が続いているそうです。
「ゴーンガール」のネタバレ感想「これが結婚!?」
「フィンチャーの映画が一番好き」と気づいてから初めて劇場で観た、私にとって思い出深い作品が「ゴーンガール」。
ネタバレしないと感想を言いづらいため、観に行ったのに人に話せなくてもどかしかったのをおぼえています。
前半では夫のニックを疑い、後半にさしかかったところで新たな事実が明らかになり、また予想していなかったことが起きて…と最後まで何が起こるかわからず、スクリーンに釘付けになりました。
「エイミーが怖い」といった意見も見られますが、エイミーが100%悪というわけではなく、そのへんもわかるように描かれていて、なおさら後味悪かったですね。
だがそれがいい。
君を愛したけど 憎み合い
支配し合おうとし
互いを苦しめた
エイミーの本性を知ったニックのこのセリフに、二人のこれまでの過程を見せられた私たちはもう胸がつまります。
ですがエイミーはひるまず、ニックの目をまっすぐ見つめてこう言います。
それが結婚よ
さすがに世の中の夫婦すべてがニックとエイミーと同じだなんて思いませんが、
「似たような状況の夫婦もいるんだろうなぁ…」
と思うと、映画館の床が氷なのかってぐらい底冷えしましたね。
「ゴーンガール」の評価
結婚への恐怖心を植えつける「ゴーンガール」。
他の方はどう評価したのか、見ていきましょう。
映画.comのレビューを参考にしています。
高評価
- 二転三転する展開にひきつけられる
- ニックとエイミーみたいな夫婦が実際にいそう
- 1回目はゾッとしたけど、妻目線で見ると全く違う映画になる
妻と夫、どちらの目線で観るかによって評価が大きく変わりそうです。
感想をまとめたTogetterもありました。
「ゴーンガール」公式アカウントがまとめているため、好意的な意見が集められているだろうとは思いますが、私にとっては「わかるわかる」と頷けるものばかりでした。
低評価
- 胸糞悪い
- エイミーがサイコすぎてついていけない
- 中盤で犯人がわかるので興味がなくなった
低評価の口コミでは
女って怖い
エイミーが怖い
といった意見が多く見られました。
確かにエイミーは怖い女性ですが、彼女が育ってきた環境や親との関係を考えると彼女も被害者であることがわかり、同情できる部分もあるんですよね。
エイミーの怖さは「女特有の怖さ」というより、「親から理想を押し付けられたゆえの歪み」じゃないかと私は思います。
まとめ
映画「ゴーンガール」のご紹介でした。
ネタバレしないと感想を言うのがとても難しい本作。
「結婚ってそんな地獄なの?」と思ってしまいそうですが、実際には違うと思います。
多分きっとおそらくMaybe。
最初と最後の構図が同じなのですが、エイミーの表情がほんのり違っているのが怖くていいです。
ぜひそこも注目してみてください。
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