こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
今回は映画「ルビー・スパークス」をご紹介します。
実在しない女の子に恋をしてしまった主人公の奮闘を描く本作。
恋をしているときは誰しも相手に幻想を抱きがちですが、「その幻想を破られても相手を好きでいられるか」と厳しい問いを突きつけてきます。
主人公は理想と現実の折り合いをつけられるのか、諦めず理想を追い求めるのか。
予告編を見るとポップでかわいらしい雰囲気ですが、実はホラー並みに怖い場面があり、見るのに覚悟が必要な映画です。
実在しない二次元キャラや知り合うことのない芸能人を好きになった人には、結構刺さりますよ。
本記事ではそんな「ルビースパークス」を観た感想や、本作と対極の選択をする映画をご紹介します。
監督 | ジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス |
キャスト | ポール・ダノ ゾーイ・カザン ほか |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2012年 |
上映時間 | 104分 |
映画「ルビー・スパークス」あらすじ
小説家のカルヴィン(ポール・ダノ)は、デビュー作がヒットし“天才”と称されていたが、そのプレッシャーで次回作が書けないでいた。
ある時セラピストのアドバイスで、ポールは夢に出てきた女の子・ルビーを主人公にした小説を書き始める。
おかげで調子を取り戻すも、小説を書くうちルビーに恋をしてしまったカルヴィン。
実在しない相手に恋をしている状況にむなしさを感じるカルヴィンだったが、彼の目の前にルビー(ゾーイ・カザン)が現れた。
ルビーは元から現実にいたのではなく、カルヴィンが作り出した女の子。
カルヴィンが「ルビーはフランス語をしゃべれる」とタイプライターに打てば、その瞬間からルビーはフランス語をしゃべれるようになります。
つまりカルヴィンは、ルビーを自分の好きなようにコントロールできるのです。
他人を思い通りに操れるわけですから、さぞや楽しいだろうな…と思いきや、それがうまくいかないんですね。
ファンタジーな設定ですが、恋人との関係に悩むカルヴィンに共感できる人も多いのではないでしょうか。
監督はジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス夫妻
本作を監督したのは、ジョナサン・デイトン&バレリー・ファリス夫妻。
二人は「リトル・ミス・サンシャイン」、「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」でも共に監督を務めています。
バラバラな家族の再生を描いた「リトル・ミス・サンシャイン」を好きな映画ファンは多く、私も大好きな作品です。
病院のシーンが最高。
「ルビースパークス」で主演を務めたポール・ダノも出演しており、頑なにしゃべらない男の子を演じています。
とにかくかわいい!ルビー役のゾーイ・カザン
「ルビースパークス」のヒロイン・ルビーを演じたのは、ゾーイ・カザン。
「欲望という名の電車」「波止場」を監督したエリア・カザンの孫娘です。
彼女はヒロイン役だけでなく脚本・製作総指揮も担当しています。
このゾーイ・カザンがとにかくかっわいいです。
超かっわいいです。
カルヴィン役のポール・ダノとはパートナーでもあり、ポールの監督作「ワイルドライフ」では共同で脚本・製作を手がけました。
2018年には二人の間にお子さんも誕生しています。
「ルビー・スパークス」感想:そこらへんのホラーより怖い
おそらく「ルビー・スパークス」で一番印象に残るのは、ホラー映画より怖いあのシーン。
ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、他人を思い通りに操れる恐ろしさと虚しさがピークに達するシーンに泣きたくなりましたね。
初めて観た時の感想はただ一言「怖い…」だった。
このシーンの怖さを際立たせているのが、ポール・ダノとゾーイ・カザンの演技力。
特に人を操れる快感に取り憑かれたポールの表情にはゾッとしました。
カルヴィンが好きなのは目の前にいる本人ではなく、自分の頭の中で作り上げた偶像。
実在しない二次元キャラやリアルで知り合うことのない芸能人が好きな人は、頭の中で好きな人像を作り上げる感覚、わかりますよね。
でも残念ながらそんな偶像は実在しません。
カルヴィンも「僕のファンの女の子たちが好きなのは僕自身じゃない。頭の中で作り上げた実在しない僕だ」と言っているので、わかっているはずなんです。
けれど自分のこととなると相手に理想を押し付けてしまうんですね。
人が出会い、恋におちるだけで
それはすでに、ミラクル。
誰かを好きになるだけでも奇跡なのに、さらに自分の理想を求めてしまう愚かさが描かれています。
芸能人や二次元キャラが好きな人はもちろん、刺さる人にはグッサグッサ刺さる映画です。
中でもカルヴィンの恋人に対する態度への指摘は耳に痛く、「これだからオタクは…」と呆れられている気分になりました。
理想を追求する正反対の映画「ゴーン・ガール」
「ルビースパークス」を観ていて思い出した映画が「ゴーン・ガール」。
2014年公開のデヴィッド・フィンチャー監督作です。
結婚5周年の記念日に妻が失踪し、自宅から大量の血痕が発見されたことで、夫が妻殺しの容疑をかけられる…というストーリー。
「ゴーン・ガール」は「相手のことをどれだけ知っているか。すべて知ったうえで愛せるか」と問いかけてきます。
「ルビー・スパークス」が理想と現実に折り合いをつける映画なら、「ゴーン・ガール」は理想を貫く映画です。
「理想しか愛せねぇ」と目をかっぴらいて説教されているような怖さがあります。
ミステリーとしても非常におもしろく、ラストで明かされる結婚の真理(?)に呆然とすること間違いなし。
「ルビー・スパークス」はちょっとやさしすぎる、という人におすすめです。
「ルビー・スパークス」の評価
軽い気持ちで見るとギャップに驚く「ルビー・スパークス」。
他の方はどう評価しているのか、見てみましょう。
良い評価
- ルビーがかわいい
- ホラーの展開にビビった
- ポール・ダノの演技がすごい
「ルビースパークス」の一番の魅力が、ゾーイ・カザン。
上でも散々書きましたが、かっわいいです。
ルビーのカラフルなファッションもかわいくて、正に眼福。
また誰もが予想しなかったホラーな展開は、強く印象に残るようです。
私も人に勧めるときはビックリさせないように「ホラーな場面がある」と言うようにしています。
このホラーな場面を際立たせているのが、カルヴィンを演じるポール・ダノの演技。
相手を思い通りに支配できる喜びが次第に虚しさに変わっていく際の演技は、高く評価されています。
悪い評価
- ちょっと物足りなかった
- タイプライターでもっと上手いこと書けば良かったのに
- あの結末に「同じことの繰り返しになるのでは」と思った
カルヴィンはルビーと出会い、相手に理想を押し付けることの残酷さと虚しさを知ります。
自分の夢見がちな部分を自覚できたわけですから少し成長したはずですが、劇的には変わらないので「物足りない」と思う方もいるようです。
こういった願い事が不思議な力で叶うお話は、お願いの仕方に全てがかかっているので「こういう風にお願いしたらいいのに!」とヤキモキする方はいるかもしれませんね。
ただ自分が作り出した存在といえど他人ですから、やっぱり最後はうまくいかなくなっていたんじゃないでしょうか。
また「ルビー・スパークス」の終わり方はふわっとしており、ルビーとカルヴィンがどうなるのかは観た人の想像に委ねられるため、評価が分かれるようです。
あんなに女の子とこじれたカルヴィンですから、「同じことを繰り返すのでは」という意見に共感しつつ「がんばれカルヴィン!負けるなカルヴィン!」と応援したくなりました。
まとめ
映画「ルビー・スパークス」のご紹介でした。
ポップで軽い映画かと思いきや、相手にあれもこれも求めすぎてしまう人に刺さる傑作です。
恋愛映画、ファッション映画としても楽しめるうえ、間違いなく印象に残るホラー映画並みに怖いシーンもあり、多くの人が楽しめると思います。
- カラフルなファッションが好き
- ちょっと変わった恋愛映画が観たい
- 相手に求めすぎて恋愛がうまくいかない
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イラストキネマのオーナー、サオリでした。
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