映画「ベルファスト」は時代背景の予習必須?【ネタバレ感想も】

映画「ベルファスト」は予習必須なのか解説してみた

こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。

今回は映画「ベルファスト」をご紹介します。

舞台は北アイルランドのベルファスト。

争いに巻き込まれながらもベルファストで生きる人々を、少年の目から映した映画です。

明日に向かって笑え!

そううたう本作はアカデミー賞脚本賞、ゴールデングローブ賞の最優秀脚本賞を獲得しています。

さらにアカデミー賞の前哨戦といわれているトロント国際映画祭で、最高賞である観客賞も受賞。

本作は実際に起こった出来事が背景にあるため、予備知識が必要なのか気になる方もいるでしょう。

参考になるかと思い、当時のベルファストの時代背景について書かれた記事も紹介しています。

予習として読んでいただけるとうれしいです。

もちろん感想も!

まだ上映中のところもあるので、気になった方はぜひ劇場へ足を運んでみてください。

ネタバレを含みます。

監督ケネス・ブラナー
キャストカトリーナ・バルフ
ジュディ・デンチ
ジェイミー・ドーナン
キアラン・ハインズ
コリン・モーガン
ジュード・ヒル
製作年2021年
製作国イギリス
上映時間98分
目次

映画「ベルファスト」あらすじ

映画「ベルファスト」あらすじ

ベルファストで生まれ育った少年・バディ(ジュード・ヒル)は、楽しい毎日を過ごしていた。

ところがプロテスタントの武装集団がカトリック住民を攻撃し始め、バディの平和な世界は突如崩壊した。

本作はケネスブラナー監督の出身地である、北アイルランドのベルファストが舞台。

幼少期の体験を投影している、監督の自伝的作品です。

脚本・監督を担当したケネスブラナー

本作の脚本・監督を担当したケネスブラナーは劇団出身。

「ロミオとジュリエット」などの舞台で主演を務め、演出も担当することがあったそうです。

俳優としても活躍しており、「ヘンリー五世」ではアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。

アガサ・クリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」と「ナイル殺人事件」では、監督と主演を務めています。

ベルファストゆかりの地出身で固めたキャスト

「ベルファスト」の主な登場人物は、主人公のバディ一家とバディの祖父母。

彼らを演じるキャスト全員がイギリスか北アイルランド、もしくはアイルランドの出身です。

お父さん役のジェイミー・ドーナン、おじいちゃん役のキアラン・ハインズはベルファスト出身。

キアランにいたっては「僕の実家の近くに住んでいた」と監督が語っています。

※出演者の出身について話すところから再生されます。

バディ役のジュード・ヒルは本作で長編映画デビュー。

好きな女の子を見つめているときの、もにゃもにゃした表情が愛らしくてたまりません。

「ベルファスト」の時代背景をマンガで予習

ベルファストは非常に複雑な歴史があるところだそうです。

私はそういった歴史を全く知らず、映画評論家・町山智浩さんがラジオで話した内容をまとめた以下の記事(ややネタバレあり)を読みました。

ラジオ番組の書き起こしなので、結構長いです。

公式サイトの「歴史背景」でもプロテスタントとカトリックが争った「北アイルランド紛争」について説明されており、より深く知りたい方はこちらも読んでおくと良さそうです。

主人公は9歳の男の子で「なんで大人たちが争ってるのかわからない」という状態で話が進むため、紛争についての説明はほとんどありません。

なので時代背景を予習しておいた方が、おいてけぼりにならずに済むと思います。

「ベルファスト」のネタバレ感想

「ベルファスト」の感想は

めちゃめちゃ良かった

です。

「ベルファスト」は基本的にはモノクロの映像ですが、バディが観る映画や芝居だけカラーになります。

「バディの目には世界はこう見えているのか」とこちらの瞳までキラキラする思いでした。

私が一番好きなのは、終盤でバディのお父さんとお母さんが踊るシーン。

ネタバレしますが、破綻しかけていた夫婦関係を修復するかのようなダンスに安堵しながらも、その裏には新しい地での生活を余儀なくされる理不尽さと悔しさがあることを思うと、涙が止まりませんでしたね。

止まらなかったので、マスクとメガネの間にティッシュをはさむ怠惰な観賞スタイルを編み出しました。

映画「ベルファスト」で編み出した怠惰な鑑賞スタイルのイラスト

このダンスシーンで流れるのが、予告編でも使われているLove Affairの「Everlasting Love」

バディ一家が新たな一歩を踏み出すことを明るく後押ししてくれています。

ベルファストの歴史について軽く予習していたおかげで、「今大人たちはなんの話をしてるの…?」と戸惑うこともありませんでした。

ウクライナとかぶる部分も

突然襲撃されたベルファストは、今のウクライナを彷彿とさせます。

映画を観ながら

「故郷からこうして出ていかざるをえない人が、ウクライナには大勢いるんだろうなぁ…」

と思うと、やるせない気持ちで胸がいっぱいになりました。

身の安全を考えるなら、危ないところに住み続けるより出ていった方がもちろんいいでしょう。

ですが

「なぜ出ていかなければならないのか」

と思うのは当然です。

帰ってこられるかもわからないのに、生まれ育った場所から新しい場所へ移らなければいけない悔しさが、スクリーンからありありと伝わってきました。

「ベルファスト」の評価

各方面で絶賛されている「ベルファスト」。

観に行った方はどんな評価をしたのか、見てみましょう。

映画.comのレビューを参考にしています。

高評価

  • お母さんが強くて美しい
  • 分断を実際に体験したからこそ作れた
  • 紛争の中でも光る子どもの無邪気さがいい

バディのお母さんは生まれも育ちもベルファスト。

他の街を知らず、ベルファストから離れたくないと思うのは当然です。

出稼ぎで家にいない夫に代わって子どもたちを守り、陽気に踊る彼女はとても美しかったです。

本作は平和だった日常が突然崩れるさまを、実に暴力的に描いています。

ベルファストが襲撃されるところから映画が始まり、理不尽な暴力は突然ふるわれることを思い知らされました。

実体験があったからこそ、こういった描写になったのだと思います。

そんな中でも子どもの無邪気さやユーモアが光っていて、救われましたね。

“宗教による分断”という理解が難しいテーマの作品なのに、高評価のレビューが多かったのはこのおかげかもしれません。

低評価

  • ありきたりだった
  • 宗教争いに共感できなかった
  • 「ここから何かが始まる?」と思ったところで終わってしまった

日本に住んでいると宗派の違いによる分断を実感することはほとんどないため、「共感できなかった」という意見もありました。

争いに共感できないのはバディ一家も同じなので、バディたちに共感するように観れば評価は変わるかもしれません。

バディ一家は「ベルファストに残るか、去るか」究極の二択を迫られます。

映画「ベルファスト」の登場人物は究極の二択を迫られる

バディ一家にとって大変なのはこれからなので、その先を知りたいという気持ちはわかるな、と思いました。

まとめ

映画「ベルファスト」のご紹介でした。

時代背景を予習しておいた方が安心ですが、ざっくりで大丈夫なので身構える必要はありません。

紛争に巻き込まれた家族が、理不尽さと悔しさをにじませながらも新たな一歩を踏み出す様は、希望を感じられます。

私のネタバレ感想を読んで少しでも興味を持っていただけたらうれしいです。

故郷に思い入れがある
子どもが主役の映画が好き
モノクロ映画ゆえの感動を味わいたい

上記に当てはまる方におすすめです。

ぜひ、劇場で観てみてください。

上映館はこちらから確認できます。
※東京、神奈川で近日公開されるそうです(2022年末現在)。

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