こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
今回は映画「生きててよかった」をご紹介します。
突然ですが、あなたには幸せより大切なものってありますか?
「幸せになりたい」という願いは万人に共通するものとされていますが、幸せよりも“生の実感”を求める人がいます。
本作の主人公・楠木創太がまさにそうで、ボクシングをしているときにしか生きていることを実感できません。
そんな創太を演じるのは元プロボクサーの木幡竜さん。
次から次へとパンチを繰り出す速さは、今まで映画で観た他のボクサーのものとは比べものになりません。
入場先着特典の解説プレスシートに書かれていた体を張った撮影秘話や、通じるところがある映画についてもご紹介しているので、最後まで読んでいただけるとうれしいです。
監督 | 鈴木太一 |
キャスト | 木幡竜 鎌滝恵利 今野浩喜 柳俊太郎 ほか |
製作年 | 2022年 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 119分 |
映画「生きててよかった」あらすじ
ボクサー・楠木創太(木幡竜)はドクターストップにより、強制的に引退した。
恋人・幸子(鎌滝恵利)との結婚を機に就職するもうまくいかず、闘いへの執着を捨てきれずどこにも自分の居場所はないと感じる創太。
あるとき創太のファンを名乗る男から「裏闘技場で闘わないか」と誘われる。
久しぶりにリングに上がった創太は闘いにのめりこんでいく。
社会になじめず、ボクシングのことしか考えられない創太に「この人はどうしてこんなにボクシングがしたいんだろう」と不思議に思うかもしれません。
正直、理解はできません。
でも全力で振る創太の拳は、いつの間にかこちらの心に届いています。
監督・脚本は鈴木太一
本作の監督・脚本を担当するのは鈴木太一さん。
「くそガキの告白」でゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞ほか4冠を獲得しました。
「生きててよかった」は脚本に着手してから撮影するまでに6年もの年月がかかったと解説プレスシートで告白しています。
主演の木幡さんとセリフや描写について話し合いを重ね、脚本が完成しました。
「生きててよかった」木幡竜の撮影秘話
主人公の創太を演じるのは、プロボクサーの経歴を持つ木幡竜さん。
プロボクサー、サラリーマンを経て、俳優を目指しますが、なかなか役に恵まれない不遇の時代を過ごしました。
ボクシングをやめた際「絶対に帰ってくる」とジムの会長や周囲の人から言われたというエピソードは、リングでしか味わえない興奮を求め続ける創太と重なります。
解説プレスシートによると、「生きててよかった」冒頭の創太がノックアウトされるシーンは、リアリティを追求しプロのボクサー・松本亮さんに実際に殴られているとのこと。
松本さんは第34代東洋太平洋ボクシング連盟のスーパーフライ級王者。
1テイク目では倒れるスピードが速すぎたため2テイク撮影し、木幡さんはチャンピオンのパンチを2度も受けているんです。
やり直すことになった時は「もう1回は勘弁して!」と思った、と告白しています。
そりゃそうだ。
プロボクサーとして活躍した経験があるため、試合中の動きの迫力がすごいんですね。
実際の試合と同じように動いているのかと思いきや、「リアルに見せるためにわざと遅くパンチを打っている」とか!
すべてを懸けて闘う気迫から目が離せませんでした。
「生きててよかった」感想
「生きててよかった」の感想を一言で言うと
「良かった…!」
です。
闘うことでしか
生きられない
主人公・創太はボクシングしかできず、リングの上でしか生きられません。
トレーナーに「(ボクシングができなくても)生きていればいい」と言われた創太は、それがどういうことなのか本気でわからない、という顔をします。
私含めいわゆる普通の人って、人生とか命を懸けてまでやりたいことなんてないと思うんですよ。
そういう人は、おいしいもの食べたり友達と会ったりすれば「また明日からがんばろう」という気持ちになります。
ですが創太のように生きることとやりたいことが分かち難く結びついている人には、恐らくこういう感覚がありません。
恋人の慰めも友達の励ましも、ボクシングができない現実の前では何の意味もないんです。
それなのに創太にはボクシングの才能もない。
地獄です。
それでもその地獄の中で立ち上がる姿に、うらやましささえおぼえます。
「生きててよかった」のクライマックスはなんといっても終盤の裏闘技場での闘い。
創太がすべてを懸けてリングに立つ姿から一瞬たりとも目が離せません。
創太は元ボクサーですが、そんなに強くないんですよね。
おまけに裏闘技場ですから、目潰し、金的(男性の急所を狙った攻撃)、なんでもアリなわけです。
負けてしまうのでは?
負けるだけじゃ済まなくてボロボロになるのでは?
そんな心配をよそに目をギラギラさせながら繰り出す創太の拳は相手に届くのか。
ぜひ劇場で確認していただきたいです。
似ている映画「セッション」
「生きててよかった」を観ているときに「セッション」という映画を思い出しました。
「セッション」は一流ドラマーを目指すアンドリューが、名門音楽学校で鬼教師のしごきを受ける映画です。
アンドリューは幸せに年をとって長生きするより、音楽家として歴史に名前を残す方が大事だと思っています。
それができるなら文無しで早死になったって構わないんです。
創太も同じで、幸せとかただ生きることよりリングに立つことを望んでいます。
理想を貫けないのは、死んでいるのと等しいんです。
やりたいことがある人は一見幸せに見えますが、それは命を懸ける覚悟のある人にだけ神様から与えられるご褒美(というには甘すぎますが)なんだと思います。
「生きててよかった」評価
ファイトシーンの迫力がとにかくすごい「生きててよかった」。
他の方の評価はどうなのか、見ていきましょう。
高評価
- ラストがよかった
- 今野浩喜がいい味出してた
- ボクシングシーンの迫力がすごい
ネタバレになるのでどんなラストなのかは言えませんが、「これ以外にないよなぁ」と私は思いました。
Twitterを見る限りでは男性からの評価が高いですね。
ボクシングとか格闘技ファンは男性が多いことも関係しているのでしょう。
ですが普段ボクシングを見ない私も釘付けになるぐらいの迫力がありました。
「なんでそんなことに命を懸けるの?」と思う方もいるかもしれません。
それでも全てを懸けて闘う姿には心を動かされます。
低評価
- 登場人物の心情がわからなかった
- ラストのエピローグ的なのは余計では?
- 「ロッキー」を使う意味はあったのか疑問
創太が裏闘技場で最後の闘いを終えた後、ちょっとしたエピローグのような場面が入ります。
「エピローグを入れずに終わらせた方がかっこよかったのでは…」と思う気持ちもわかりますが、あれは幸子の自立を表していたんじゃないかと。
幸子は幼いころからずーっと創太のことが好きで、幸子の人生は創太への気持ちで占められています。
創太に依存していた幸子がこれからは自立して生きていけると示すには、あのタイミングしかなかったでしょう。
また「生きててよかった」は「ロッキー」へのオマージュにあふれています。
「ロッキー」に影響を受けた創太はボクサーを目指し、そのせいで人生が狂ったといっても過言ではありません。
私は未見ですが、「ロッキー」を観た人からは「理解していない」という意見も。
「ロッキー」のファンだと複雑な気持ちになって、このような評価になるのかもしれません。
まとめ
映画「生きててよかった」のご紹介でした。
木幡竜さんの体を張ったファイトシーンは、観ているこちらまで熱くなります。
命がけで何かに打ち込む人は「カッコイイ」と思われがちですが、実際には泥臭いものです。
「理解できない」と思われても仕方ありません。
それでもある一線を超えたときから、その姿は眩しく輝き出します。
その姿を、ぜひスクリーンで目に焼き付けてください。
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イラストキネマのオーナー、サオリでした。
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