こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
突然ですが、イケメンのクズはお好きですか?
相手の気持ちなんて1ミリも考えず、
自分の振る舞いたいように振る舞い、
都合のいいことを言うばかりで行動が伴わず、
顔以外にいいところがまるでない、
そんなクズです。
私は大好きです。
画面越しに見るのであれば。
実際に自分の周りにそんな人がいたら1ミリも関わりたくありませんが、画面越しとなると途端に輝いて見えるんですよね。
今回はそんなピッカピカのクズ男が登場するおすすめの恋愛映画を4本、ご紹介します。
イケメンクズが登場する恋愛映画をおすすめする理由
「恋愛映画」と一口に言っても様々な映画がありますよね。
異性愛や同性愛、夫婦の話はもちろん、離婚映画も広義にとれば恋愛映画に含まれるでしょう。
私は王道のハッピーな恋愛映画はあまり観ないのですが、イケメンクズが登場する恋愛映画とあらば話は別。
実際に身近にクズがいたら困りますが、画面越しであれば無傷・無害・無問題でご尊顔を堪能できるからです。
顔面や才能を武器に傍若無人に振る舞い、あまつさえそのことに無自覚な様は呆れを通り越して清々しさを感じます。
そんなイケメンクズが出てくるおすすめの恋愛映画を、クズポイントとともに見ていきましょう。
イケメンクズのお手本「南瓜とマヨネーズ」
1本目は「南瓜とマヨネーズ」。
恋人と同棲しているツチダ(臼田あさ美)が、忘れられない人・ハギオ(オダギリジョー)と再会しのめりこんでしまう…というストーリー。
原作は魚喃キリコさんの同名漫画です。
ありがちなお話ですが、魚喃キリコさんの絵と必要最低限なセリフに、いつのまにか入り込んでしまいます。
「これを映画化するなんて失敗の予感しかしない…」と思ったら、見事に予想を裏切ってくれました。
それでは本作のイケメンクズ・ハギオのクズポイントを見ていきましょう。
ここがクズだよハギオ①浮気なんて当たり前
ハギオ役がオダギリジョーさんの時点で、死ぬほどモテることは明白ですね。
そのためハギオの周りには常に複数の女がいます。
浮気がデフォルトなんです。
昔ツチダはそんな女のうちの一人で、いいように扱われていたのに今でも好きなままなんですね。
クズ男が出て来る映画は、「クズ男がいかに魅力的か」に全てがかかっていると思います。
その点ハギオ役がオダギリジョーさんの時点でもう感謝の意しかございません。
本当に本当にありがとう。
ここがクズだよハギオ②超無遠慮
ハギオは複数の女と関係を持ちながらも、誰のことも好きじゃないんです。
それゆえ誰のことも大事にしません。
昔も今もハギオが好きだとわかっているツチダに対しても
「あの頃お前と一緒にいても全っ然おもしろくなかったもん」
と言い放ちます。
観てるだけの私にもグサッときたよ…。
しかもそれを一切悪びれずに言うところがクズですね。
浮気を隠さないイケメンクズ「さよならみどりちゃん」
2本目は「さよならみどりちゃん」。
原作は南Q太さんの同名漫画です。
本作のイケメンクズ・ユタカ(西島秀俊)が主人公のゆうこ(星野真里)を振り回しまくります。
「クズい西島さん最高!」と叫び散らかしてる記事はこちら。
女にモテるがゆえに浮気し放題、相手の気持ちを利用して都合のいい関係に持ち込み相手の気持ちは一切考えないユタカ。
1本目に紹介した「南瓜とマヨネーズ」のハギオと非常に似ていますね。
そんなユタカのクズポイントを見ていきましょう。
ここがクズだよユタカ①本命がいるのに浮気
ユタカがハギオと違うところは彼女がいるところです。
名前ばかりの関係でなく、ちゃんと好きで付き合っていたんだと思います。
本命がいるのに浮気する男と、本命がおらず複数の女と関係を持つ男と、どちらがクズかといわれるとまぁ目くそ鼻くそですねw
ただ本命がいる=本気になれる、と考えるとユタカの方がまだ救いようが…ないかな!
ここがクズだよユタカ②「好き」と言われたら逃げる
相手の気持ちを利用するものの、付き合う気のない相手に「好き」と言われるとユタカは逃げます。
クズい!
「ごめん」とか断りの一言もなしに「じゃあなー」と言って、それでオシマイです。
クズい!!
どクズではあるのですが、ある程度罪悪感があるから去るのかな?と思うと、ハギオよりは悪人度は低い気が…いや立派なクズですね!
女を都合よく使い倒すイケメンクズ「愛がなんだ」
3本目は「愛がなんだ」。
マモル(成田凌)が好きなあまり仕事も友達も失ってしまうテルコ(岸井ゆきの)が主人公の、恋愛映画を超えてしまっているような狂気じみた映画です。
マモルはこれといって秀でたところのない、テルコが言うように「好きになるようなとこなんてない」はずの男。
なのですが、圧倒的に顔がいい。
だって成田凌さんですから。
成田凌さん目当てで「愛がなんだ」を観た人も多いはずです。
私もそう。
ところが原作である角田光代さんの同名小説では、マモルはブサイク設定なんですね。
本当にいいところがないんですよ。
ちなみにブサイク役を成田凌さんに演じさせた理由は「その方がお客さんが入るから」*だそう。
これまで紹介したハギオやユタカは何もしなくても女が寄ってくる、まごうことなきイケメンでした。
そんな2人とは違うタイプのマモルは、どんなクズなのか?
ここがクズだよマモル①真夜中に女の子を外に放り出す
マモルから「体調が悪い」と電話を受けたテルコは、すぐさま自宅からマモルの家へと向かい、かいがいしく世話を焼きます。
ご飯を作るのはもちろんゴミの分別、果てには風呂掃除まで。
ですがマモルは何か気に入らないものがあったようで、「帰って」とテルコを追い出します。
女の子を、
一人で、
真夜中に、
タクシーも呼ばずに。
映画が始まってすぐマモルのクズっぷりを浴びせられた私は
「すっごく悪い予感がするぅ!」
とゾクゾクしたものです。
ここがクズだよマモル②罪深すぎる無関心
マモルはそんな調子でテルコを都合よく呼び出しては使い倒しているんですね。
実はマモルは、すみれ(江口のりこ)という女性に片思いしており、すみれが欲しがっていたチョコレートをテルコに買いに行かせたりもしています。
すみれはというと、マモルに全く気はないけれどテルコを気に入っており、地獄のような三角関係ができてしまうんです。
そんな調子なので、マモルはすみれに会いたいときはテルコも誘うようになります。
そしてあるとき、テルコの友達・葉子(深川麻衣)がマモルに電話をします。
「あなたのしていることはイカレている」
葉子にそう言われたマモルは、自分のしていることの罪深さを初めて自覚するんです。
「意識的に利用していたわけじゃなかったんだ…」ってドン引きしましたね。
テルコを利用していることに無自覚だったのは、テルコの気持ちを考えることすらしていなかったからに他なりません。
サイコパスかな?
モテようがモテまいが、「相手の気持ちなんて考えない」というのは、クズ男の共通点のようです。
飛行機にしか興味がないベスト・オブ・クズ「風立ちぬ」
ラストは「風立ちぬ」。
恋愛映画なのか、主人公はイケメンなのかどうかは、いったん横に置いておきましょう。
「風立ちぬ」の堀越二郎は私的ベスト・オブ・クズなので、なんとしてでもねじ込ませてください。
「風立ちぬ」の堀越二郎は同姓同名の実在の人物をベースに、小説家・堀辰雄も投影しています。
「ベスト・オブ・クズ」は架空のキャラクターの二郎に対して言っています。
本作を「恋愛映画」とカテゴライズするのは違和感があるかもしれませんが、
「クズ男との恋愛で幸せになるにはこうなるしかない」
と私は思うんです。
一般的な恋愛の幸せとはかけ離れていますが、これもある種の恋愛の究極の形といえるのではないでしょうか。
ここがクズだよ堀越二郎①飛行機以外どうでもいい
二郎と結ばれる菜穂子(瀧本美織)は結核を患っているため、療養施設(サナトリウム)に入ることになります。
二郎から手紙は来るものの、仕事が忙しいせいか見舞いに来ることはありません。
その手紙を読んだ菜穂子はサナトリウムを抜け出して、二郎に会いに行ってしまいます。
なぜこんな行動に出たのか。
手紙の内容は映されませんが、それまでのお話から二郎が飛行機以外のことに構っていられないことがわかります。
菜穂子に「愛している」とは言いながらも、その頭の中の大半は飛行機が占めていて、それを自覚していないのがまたタチが悪いですね。
そんなクズい二郎が書く手紙ですから、飛行機や仕事のことばかりなのでしょう。
菜穂子が欲しかったのは「大丈夫?」とか「会いたい」とかそういった言葉だったはずです。
実際にあってそばにいる必要を強く感じたから、菜穂子はサナトリウムを抜け出す無茶をしたのだと思います。
ここがクズだよ堀越二郎①病人の横でタバコ
そうして二郎と結婚した菜穂子ですが、二郎は喫煙者で仕事中にもタバコを吸います。
二郎は寝ている菜穂子と手を繋ぎながら、持ち帰った仕事に手をつけます。
タバコを吸いたいから手を離そうとする二郎に菜穂子は「(手を離しちゃ)ダメ」と言うんです。
常識的な人なら手を離さずタバコも吸わず仕事を続けるのでしょうが、さすがクズの二郎は違います。
病人の横でタバコを吸うんです。
このシーン含め喫煙シーンが多い「風立ちぬ」に禁煙学会から要望書が提出されたことは、ちょっとしたニュースになりました。
常識的に考えれば病人の横でタバコなんてもってのほかですが、この描写は「風立ちぬ」に欠かせないと思うんです。
飛行機にしか興味がない二郎と長い間一緒にいたら、どんな女性であってもいずれ破綻します。
二郎と菜穂子が一緒にいられるのはごく短い時間で、二人が幸せでいるには二郎の好き勝手な振る舞いを受け入れるしかないんですよね。
二人のそんな関係を象徴しているこのシーンは、確かに非常識ですけどそんなことがつまらなく思えるぐらい美しいです。
ちなみにアニメの造詣が深い岡田斗司夫さんのこのシーンの解釈もかなりおもしろいです。
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まとめ
イケメンクズが登場する恋愛映画のご紹介でした。
気になる映画はありましたか?
クズ男なんて近くにいないに越したことはありませんが、安全な位置から見るぶんには非常におもしろい存在です。
「風立ちぬ」以外の映画はどれもクズ男役が魅力的すぎるので、目の保養になること間違いなし。
彼を知り己を知れば百戦殆からず
「敵と味方の情勢をよく知って戦えば負けることはない」という、孔子の有名な言葉です。
自己防衛のためクズ男の手口・生態調査として観るのもおすすめです。
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イラストキネマのオーナー、サオリでした。
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