映画「ロックンロールサーカス」ストーンズのライブお蔵入りの理由

映画「ロックンロールサーカス」ストーンズの貴重なライブ映像なのになぜお蔵入りとなったのか?

こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。

今回は映画「ロックンロールサーカス」をご紹介します。

「ロックンロールサーカス」は、“ロックンロールとサーカスの融合”を目指し、ザ・ローリング・ストーンズがテレビ番組として企画・製作したライブイベント。

ストーンズの他にザフー、ジョン・レノン、オノ・ヨーコといった大御所も出演しています。

60年代の貴重なストーンズのライブを収めたにもかかわらず、1996年までお蔵入りとなっていたこのイベントの映像。

この度日本で初めて劇場公開となりました!

2021年8月24日に亡くなったストーンズのドラマー、チャーリー・ワッツを追悼し「チャーリー・イズ・マイ・ダーリン」も同時期公開。

ビッグバンドばかりが集まったこの映像がなぜ長い間お蔵入りとなっていたのか、洋楽の知識ゼロでも楽しめるのか、私の感想とともにご紹介します。

監督マイケル・リンゼイ=ホッグ
キャストザ・ローリング・ストーンズ
ジョン・レノン
エリック・クラプトン
ザ・フー
ほか
製作国イギリス
製作年1996年
上映時間66分
目次

映画「ロックンロールサーカス」概要

「ロックンロールサーカス」とは何なのか?

そもそも「ロックンロールサーカス」とは何なのかというと、1968年12月にBBC-TV用に制作された映像作品です。

純粋にテレビ用に制作されたのではなく、ストーンズが12月6日にリリースを予定していたアルバム「べガーズ・バンケット」をプロモーションするための企画だったといわれています。

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サーカスの要素が加わった理由についてはパンフレットに詳しく書いてありました。

 興味深いのは、そこに入り込んだ“サーカス”というコンセプトだが、実は“サーカス”という発想がどこで生まれたかについて、ザ・フーのピート・タウンゼンドによる具体的な証言も残されている。

もともとはスモール・フェイセズのロニー・レインとピート自身の二人の間で温めていた演奏ツアーに関するアイデアだったらしい。

それをミック・ジャガーに相談したところ、彼も動物や曲芸師含めたサーカスを引き連れたツアーを夢見ていたと意見が一致し、さらにその実現に向けて具体的なアイデアを練るうちに、TV番組にすることをミックが思いついたのだという。

「ロックンロールサーカス」パンフレット

同じ時期にサーカスを引き連れたツアーをしたいと考えていたことがきっかけのようです。

確かに「ロックンロールサーカス」って字面はわくわくする。

セットリスト

ライブイベント「ロックンロールサーカス」は、ストーンズが企画・製作しただけあって、そうそうたるメンバーが出演しています。

ジェフリーへ捧げし歌/ジェスロ・タル
クイック・ワン/ザ・フー
エイント・ザット・ア・ロット・オブ・ラヴ/タジ・マハール
サムシング・ベター/マリアンヌ・フェイスフル
ヤー・ブルース/ザ・ダーティ・マック
ホール・ロッタ・ヨーコ/オノ・ヨーコ&イヴリー・ギトリス、ザ・ダーティ・マック
ジャンピン・ジャック・フラッシュ/ザ・ローリング・ストーンズ
パラシュート・ウーマン/ザ・ローリング・ストーンズ
ノー・エクスペクテーションズ/ザ・ローリング・ストーンズ
無情の世界/ザ・ローリング・ストーンズ
悪魔を憐れむ歌/ザ・ローリング・ストーンズ
地の塩/ザ・ローリング・ストーンズ

もんのすごい豪華ですよね。

ストーンズは2022年で活動60周年を迎える歴史あるバンドです。

長寿バンドとなると、メンバーの入れ替えや有名曲に関するエピソードなど話題に事欠きませんが、この映画はそういった知識がなくても大丈夫。

実際私はストーンズは有名な曲しか知りませんし、ザフーも数曲聴いたことがある程度ですが、そんなの関係なく楽しめました。

マイケル・リンゼイ=ホッグ監督

本作を監督したのは、NY出身のマイケル・リンゼイ=ホッグ

ビートルズ、ザフーのミュージックビデオも手がけており、ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のMVも彼が撮影しています。

他にもビートルズの「ペイパーバック・ライター」「ヘイ・ジュード」、ザフーの「ハッピー・ジャック」などのMVも手がけ、「ロックンロールサーカス」も企画段階から関わっていました。

ビートルズの映画「レット・イット・ビー」も監督している、音楽とゆかりのある監督です。

「ロックンロールサーカス」お蔵入りはザフーのせい!?

映画「ロックンロールサーカス」はザフーのせいでお蔵入りになった?

誰もが知るビッグバンドが集まった「ロックンロールサーカス」は、なぜ約30年もの間お蔵入りとなっていたのか?

実は明確な理由は明らかになっていません。

パンフレットを読む限りではマネージャー、出演バンド・ザフーの演奏など様々な事情が絡み合った結果、お蔵入りとなったのではないかと推測できます。

それではその事情を見ていきましょう。

事情①権利をマネージャーに取られた?

映画「ロックンロールスター」がお蔵入りとなったのは当時のマネージャーのアラン・クラインが関係していた?

「ロックンロールサーカス」撮影当時、ストーンズのビジネス・マネージャーはアラン・クラインという人物が務めていました。

彼はストーンズに大きな収入をもたらしたものの、ストーンズの楽曲の著作権を自分のレコード会社に帰属させ荒稼ぎした、という疑惑があります。

そのことに気づいたミックが彼との契約を解除。

著作権に関しては裁判となり、他の著作物とともに「ロックンロールサーカス」も拘束されたことでお蔵入りになった、という説。

ちなみにアランは「ビートルズを解散させた」とされている、いわくつきの人物です。

事情②ザフーの演奏が良すぎた

映画「ロックンロールサーカス」はザフーの演奏が良すぎたのもお蔵入りの理由の一つ

これは「ミックらが番組をボツにしてしまった理由のひとつ」としてパンフレットに明記されています。

このことを監督のマイケル・リンゼイ=ホッグも認めているものの、撮影時の環境から仕方なかったとも述べています。

「ロックンロールサーカス」の撮影が終了したのは、撮影が開始された翌日の朝。

トリのストーンズがステージに立ったのは撮影終了日の午前2時頃だったといわれています。

繰り返されるリテイクと長時間の撮影によるメンバーの疲労、かなりの観客の帰宅(もったいない!)などが重なり、かなり過酷だったようです。

ストーンズのシーンだけ撮り直すという案もあったそうですが実現せず、結局番組はお蔵入りとなってしまいました。

ザフーもこの時の演奏を気に入っていたようで、1979年に彼らの伝記映画「キッズ・アー・オールライト」でも演奏シーンが公開されています。

事情③ザ・ダーティー・マックの契約問題

映画「ロックンロールサーカス」がお蔵入りになったのはザ・ダーティー・マックの契約問題も絡んでいた?

ザ・ダーティ・マックは、このライブイベントのためだけに結成されたバンド。

ジョン・レノン、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ、ミッチ・ミッチェルと豪華なメンバーで、ジョンがビートルズ以外のメンバーと初めて組んだバンドでもあります。

このバンドのメンバー各人の演奏に関する個別契約があり、その契約の有効・無効の線引きでもめたためお蔵入りになった、という説があります。

バンド名にはジョンが「金に薄汚いマック(=マッカートニー)」という皮肉を込めたといわれており、この話が事実なら契約でもめるという結果も非常に皮肉ですね。

ちなみにザ・ダーティ・マックが披露した「ヤー・ブルース」は椎名林檎さんがカバーしていて、こちらもカッコイイですよ。

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「ロックンロールサーカス」の感想:楽しい‼︎‼︎ストーンズカッコイイ!‼︎!

映画「ロックンロールサーカス」の感想は「とにかく楽しい!」

「ロックンロールサーカス」は観ていて楽しくて仕方なかったです。

もう感想なんて正直「楽しい‼︎‼︎」の一言に尽きます。

というのも、映画を観ているというより目の前でライブが開催されているようで、久しくライブに行っていなかった私は

ライブってこういう感じだったな~‼︎

とニヤニヤしてしまいました。

上にも書いたように、出演バンドや洋楽についての知識がほとんどなく楽しめるか不安でしたが、そんな不安は気づいたら消し飛んでいましたね。

「知らない曲でもこんなに楽しめるんだ!」という発見もありました。

出演者全員かっこよかったのですが、やっぱりストーンズが際立っていて「だから世界的に人気なんだ」と納得。

ストーンズといえばロックンロールバンドの代名詞ですが、エンターテイナーでもあるんですよね。

ストーンズの曲聴いてると、どうしてもウキウキわくわくするんです。

ミック・ジャガーも謎の色気を爆発させていて、アップになるたび「ひゃー!」ってなりました。

スタッフもお客さんと同じように楽しんでいる姿が映っていて「そりゃそうなるよね」と思うぐらい楽しかったです。

帰り道は好きなアーティストのライブの後ぐらいの満足感がありました。

「ロックンロールサーカス」の評価

音楽史上に残るライブイベントを記録した「ロックンロールサーカス」。

他の方はどのように評価したのか、見てみましょう。

映画.comFilmarksのレビューを参考にしています。

良い評価

  • もう最高!
  • 臨場感がすごかった
  • ストーンズかっこいい!

映画というよりライブを見たかのような評価が多く見られました。

「ロックンロールサーカス」はDVD、Blu-rayも発売されていますが、やはり映画館で観ると臨場感があります。

家で観ても楽しめると思いますが、私がライブに行ったかのような満足感を得られたのは映画館で観たからでしょう。

バンドの歴史も曲も知らないのに楽しめたのは、ストーンズ含め出演バンドがカッコイイから。

知識がある人はもちろん、ない人も楽しめるので、ぜひ映画館で観てみてください。

悪い評価

  • オノ・ヨーコが苦手
  • サーカスとの融合はできていないと思う

「ロックンロールサーカス」を観る人の多くは出演バンドのファンであるためか、あまり悪い評価は見られませんでした。

オノ・ヨーコさんもボーカルとして参加しており、歌うというより叫んでいるので「苦手」と感じる方はいるかもしれません。

10年以上前にビートルズかジョン・レノンにちなんだライブの中継をテレビで見たことがありますが、放送中のTwitterでも同様のツイートが見られました。

ただ「ロックンロールサーカス」での彼女の出演は1曲のみなので、他のメンバーの演奏を見るなどしていれば大丈夫かと思います。

また「悪い評価」とは違いますが、「ブライアン・ジョーンズの姿に切なくなった」という意見も。

ブライアンはストーンズのギタリストで、「ロックンロールサーカス」撮影の半年後に急逝。

亡くなる1ヶ月前にストーンズから脱退しており、他のストーンズメンバーと確執があったなどといわれています。

彼については「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」という映画も製作されているので、気になった方は観てみてはいかがでしょう。

まとめ

映画「ロックンロールサーカス」のご紹介でした。

長年お蔵入りとなっていた映像を劇場で観れる機会は終わってしまいましたが、DVDやBlu-rayは出ています!

  • ライブに行きたい
  • ストーンズに興味がある
  • とにかく楽しい気分になりたい!

という方におすすめです。

ぜひ観に行ってみてください。

上映館(一部地域)はこちらで確認できます。

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