こんにちは!
イラストキネマのオーナー、サオリです。
ご来館ありがとうございます。
今回は映画「シン・ウルトラマン」をご紹介します。
誰もが知るウルトラマンを新たに「シン・ウルトラマン」として映画化した本作。
ウルトラマンシリーズのファンであることを公言する庵野秀明さんが企画・脚本・総監修を務め、公開前から話題となっていました。
ですがウルトラマンはシリーズが長く続いている特撮ものであることから、「ハードルが高い」と感じる方もいるでしょう。
私も特撮に全く詳しくなく、ウルトラマンシリーズも「シン・ゴジラ」も観たことがありません。
そんな知識ゼロの状態で観ても「シン・ウルトラマン」は楽しめるのか、気になったので観てきました。
正直にレビューしているので、「え、そんなことも知らないの?」と思われるかもしれません。
この記事を読めば、初心者が観ても楽しめるのかどうか、楽しむために必要な心構えについてわかりますよ。
監督 | 樋口真嗣 |
キャスト | 斎藤工 長澤まさみ 有岡大貴 早見あかり ほか |
製作年 | 2022年 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 112分 |
映画「シン・ウルトラマン」あらすじ
ある日突然現れた正体不明の巨大生物。
「禍威獣(カイジュウ)」と名付けられたそれらに対抗するべく、「禍威獣特設対策室専従班」、通称「禍特対(カトクタイ)」が設立される。
またもや現れた禍威獣に打つ手なし!と思ったそのとき、大気圏外から銀色の巨人がやってきた。
怪獣とウルトラマンの戦闘がメインになるのかと思いきや、軸となっているのは人間ドラマ。
突然現れた正体不明の生物や、本部で指令を出す場面などは、庵野秀明さんの代表作「エヴァンゲリオン」を彷彿とさせ、庵野さんの原点を探れる気がしました。
「シン」の意味
「シン・ゴジラ」や「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」など、庵野作品の中にはタイトルの頭に「シン」と冠したものがありますね。
そんな「シン」シリーズのコラボプロジェクト「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」が始動しています。
最初に「シン」とつけられた庵野作品は、2016年公開の「シン・ゴジラ」。
「シン」は庵野さんのアイデアで、「正解があるわけではなく、見る人にさまざまなことを感じてもらいたい」と山内章弘プロデューサーは当時説明していました。
「シン・ウルトラマン」の「シン」については、庵野さん、樋口さんとも親交のある岩井俊二監督も考察しています。
「シン」にはどんな意味がこめられているのか、観た人同士で話すのも楽しそうですね。
総監修・庵野秀明
「シン・ウルトラマン」の総監修を務めたのは、ご存じ庵野秀明さん。
代表作はやはりエヴァシリーズですね。
そのエヴァシリーズも2021年に完結し、大きな話題となりました。
終わりを見届けられてよかった。
庵野さんは大学生のころからアニメ制作を行っており、ジブリ作品「風の谷のナウシカ」の巨神兵による爆発シーンの原画を担当したことは有名です。
樋口真嗣監督
監督を務めたのは庵野さんと親交のある樋口真嗣さん。
エヴァンゲリオンの主人公・碇シンジの名前は樋口さんからとられたといわれており、「シン・ゴジラ」やエヴァシリーズの制作にも携わっています。
ガメラシリーズでは特殊撮影技術を監督する特技監督を務め、庵野さんから信頼されていることがわかります。
主人公のシンジ役に斎藤工
「シン・ウルトラマン」の主人公・神永新二を演じるのは斎藤工さん。
この「シンジ」というエヴァシリーズの主人公と同じ名前にネットがざわつきました。
斎藤さんは「8日で死んだ怪獣の12日の物語 劇場版」にも出演。
この作品は「シン・ウルトラマン」の監督・樋口さん原案であり、樋口さんも怪獣に詳しい役として出演しています。
「シン・ゴジラ」にも出演している斎藤さんは、意外と怪獣ものと縁があるんですね。
「シン・ウルトラマン」カラータイマーがない理由
ウルトラマンといえば、胸元のカラータイマー。
エネルギーが切れるとピコンピコンと鳴るカラータイマーは、ウルトラマンに詳しくなくとも知っている人が多いでしょう。
実は初代ウルトラマンのデザインを手がけた故・成田亨さんのデザイン案には、カラータイマーはついていませんでした。
困ったのは「ウルトラマン」を作っている途中で、金城さんがピコピコいうものをつけてくれってきたんです。
(中略)
僕は反対だった。
「ウルトラマン」は宇宙人でしょう。
「ウルトラマン」は宇宙の人間です。
宇宙人も人間であると、僕はそう思っていました。
それが危なくなったら、ピコピコいうのはおかしいじゃないですか。
ピコピコったらロボットでしょう。
特撮と怪獣 わが造形美術/成田亨
「ウルトラマンは人間だから、ロボットのような装置がついているのはおかしい」というわけですね。
ですが結局は成田さんが折れ、カラータイマーが胸元につけられることになりました。
公式サイトのコメントを読むと、「シン・ウルトラマン」ではカラータイマー以外の部分も成田さんの思いを汲んでいることがわかります。
「シン・ウルトラマン」知識ゼロの正直レビューと楽しむコツ
特撮の知識ゼロ、ウルトラマンシリーズも「シン・ゴジラ」も観ていない私がなぜ「シン・ウルトラマン」を観に行ったのかというと、庵野さんが携わった実写映画を観たことがなかったからです。
結果どうだったか、正直にレビューすると
「あまり楽しめなかった」
です。
一番気になったのが、芝居がかったセリフ。
「ええい」とか「~だわ」とか、実際には言わないだろうセリフが多いんですよね。
「特撮特有の言い回し?」とも思いましたが、特撮になじみのない私はこの言い方に最後まで慣れることができませんでした…。
ですが山本耕史さんはそういう芝居じみた言い回しがすごく合っていましたね。
ブランコこぎながら地球の今後について話す山本さんは絵になってた。
そんなに人間が好きになったのか、ウルトラマン
キャッチコピーからも想像できるように、物語の要はウルトラマンと人間の交流です。
ところがウルトラマンが人類の味方になる理由がよくわからず、入り込めませんでした。
出てくる禍威獣はウルトラマンシリーズに出てきたものだそうで、ファンならセレクトされた理由やつながりを見出せるのでしょうが、全く詳しくない私はそれもできず。
おそらく「実写映画」として観たのが間違いで、「特撮映画」として観るべきなのでしょう。
では特撮に詳しくない人間がどうやって「特撮映画」として観ればいいのか。
考えてみたところ、以下の点を理解することが大事だと思いました。
実在しない生物相手に大真面目に戦う物語である
そのために多少芝居がかったセリフや演出がある
ウルトラマンシリーズへの敬意として、放送当時の雰囲気を大事にしている
(悪くいってしまうと「やや古臭い」)
あまり楽しめなかったのは事実ですが、構図のかっこよさはすごかったです!
机に座っている人や会話している人を写しているだけなのに、見たことない構図のせいでやたらかっこいいんですよ。
もしかしたらウルトラマンシリーズへのオマージュなのかも。
特にかっこよかったのが、ウルトラマン(斎藤工)がゼットンとの決戦前に浅見弘子(長澤まさみ)と会うシーン。
ここ数年観た映画の構図でダントツ1位のかっこよさでした。
また「シン・ウルトラマン」の撮影には自衛隊も協力しています。
ミリタリーオタクにとっては、たまらない演出なんじゃないでしょうか。
「シン・ウルトラマン」の評価
私はあまり楽しめなかった「シン・ウルトラマン」。
他の方はどう評価したのか、見ていきましょう。
高評価
- ウルトラマンへの愛があふれてた
- 令和のウルトラマンとして成功している
- 戦闘シーンのチープさが昔ながらのウルトラマンっぽくてよかった
一番多かったのがウルトラマンへの愛。
BGMはウルトラマンシリーズのものを使用しているため、昔ながらのファンにとってはたまらないでしょうね。
戦闘シーンの作り物感はおそらくウルトラマンシリーズに近づけるためで、敬意と愛が感じられます。
キャラクターや設定などもウルトラマンシリーズのものを引用しているそうで、ファンの評価はおおむね高かったですね。
とはいえ、「知識ゼロでも楽しめた!」という方もいましたし、中には
「知識がない状態で『シン・ウルトラマン』を楽しめるのは貴重」
という声も。
「詳しくないから」と尻込みせず、気になった方は観に行くのがよさそうです。
低評価
- 情報量が多い
- 俳優というより「しゃべるモデル」みたいだった
- ウルトラマン頼みの人間を命がけでなぜ守りたいと思うのか、わからなかった
とにかくずっと誰かがセリフをしゃべっていて、理解が追いつかないうちに新しい情報が入ってきて…の繰り返しです。
私も途中から理解するのあきらめた。
映画の冒頭にこれまで現れた禍威獣について字幕付きで説明されるのですが、字幕が切り替わるのが早い早いw
読みきれないうちに切り替わるテンポが庵野さんらしいのですが、ちょっと焦りましたね。
芝居がかったセリフのせいか、俳優さんたちの演技もなんだか大げさに見えてしまいました。
ウルトラマンが人類を命がけで守る理由もわからずじまいでしたが、「愛」の一言で説明が足りるのかもしれません。
ウルトラマンの行動に理由を求めるか求めないかが、「シン・ウルトラマン」の評価に関わってきそうです。
まとめ
映画「シン・ウルトラマン」のご紹介と正直レビューでした。
ファンからもそうじゃない方からの評価も高い、めずらしい作品です。
「特撮」とか「あのウルトラマンシリーズの映画」とか考えず、気楽に観るのがよさそうですね。
庵野さんの作品が好き
ウルトラマンのファン
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イラストキネマのオーナー、サオリでした。
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